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創一郎

SOICHIRO

切子作家、切子体験教室講師

1992年 東京都生まれ

2015年 学習院大学文学部哲学科 卒業

            創吉入社

2017年 aquatic制作開始

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​使用技法について

絵のような彫刻をガラスに描いていく、花切子の技法。

ヨーロッパから始まるこの技法は江戸時代に日本に伝わり、当時から職人たちによって様々な美しい花切子が作られていました。

現代では江戸切子が有名になったのに対してあまり知られていない花切子ですが、その自由度や表現力には、花切子ならではの魅力を見ることができます。

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 制作で大切にしていること

ストーリー性や、動物たちの躍動感、煌びやかさ、実際に見た時の感動。それらをグラスを手に取った人が味わえるような制作を心がけています。グラスに模様を入れるということは、使う人が模様を見ながら毎日飲み物を飲んだり晩酌を楽しんだりするということ。そこに飽きが来てはいけないと思うんです。だから、グラス全体に動きがあり、どの角度からでも違う表情が楽しめ、使うたびに心がときめくような作品を目指していきたいですね。

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​aquaticについて

海の生き物たちが織りなす世界をグラスの中に閉じ込めるというのがコンセプトのシリーズです。

最初は回遊のような魚を題材にした作品のみでしたが、現在はペンギンやイルカ、アシカなど様々な動物が登場します。いちばんの意欲作であるPenguin Aquariumには、他の作品にはいない亀や飛魚なども登場させて、生き物や動きのバリエーションを出し、世界の広がりを表現しています。

やはり今展開している作品に辿り着くまでには、水族館に何度も通って観察を重ねる必要がありました。切子で表現しやすく、且つささやかで可愛らしい動物たちの動きを見つけるには、単なる画像検索では不十分だったんです。その観察の中で見つけたのが、Penguin ClimbやPenguin Coupleに登場する「振り返るペンギン」です。このポーズを見つけたことで作品の中に動きも生まれ、またペンギンの可愛らしさも表現できたのではと思っています。 このような観察と試行錯誤を繰り返して今の作品群はできあがりました。

グラスひとつひとつに小世界を広げているので、ぜひ作品の中の動物たちに会いに行くような気持ちで使ってもらえると嬉しいです。

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今後について

もし次に新たな生き物を追加するなら、クラゲでしょうか。クラゲは脚を長くランダムに入れることで高級感も出せますし、切子の題材としてぴったりなんです。ただ、それを思い立ってからまだ作れていないのは、流れやストーリー性がクラゲには一切ない。ただ漂っているだけのクラゲを彫って、果たしてそれは面白い作品と言えるのか。そこを突破していけると、作品の幅は広がりそうですね。

また、現在ぐい呑みを使った作品が多いですが、可愛いペンギンが刺さる層とぐい呑みを買い求める層にギャップがあると感じています。僕のPenguin Coupleを可愛いと思ってもらったところで、購買に結びつかない。では、例えば大きいグラスに同じものを彫れば同じように可愛いのかというと、そういう訳にもいかない。難しいところですが、フリーグラスや被せグラスなどグラスの種類、サイズ、デザインにバリエーションを出して、より幅広い層に選んでいただけるようにしていくのが今後の目標です。

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