
M's DECO
斎藤 素子
Motoko Saito
ハンドペイント作家
2004年 創吉入社




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使用技法について
M's DECOの作品はすべてハンドペイントによるもの。ハンドペイントの歴史は古く、グラスのエナメル彩に限って言えば紀元前エジプトにまで遡ります。
鉱物性の顔料を筆でグラスに載せ電気炉で焼成。この工程を繰り返すことで、グラスと絵の具が焼き付いて一体化し、洗っても落ちなくなります。
筆やペンを使って描けるので道具による制限がなく、デザインの 自由度が高いのが特徴です。
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M's DECOについて
使って楽しい食器を作りたいというのが全体のテーマです。
モチーフとして動物を採用しているのは、動物全般が好きだからです。カエルはどこか人間っぽくもあるところが面白く、ニワトリはCOCKTAILの語源とも言われていてグラスとの親和性が高いですし、ウサギについては、以前黒いうさぎを飼っていたことがあるので、今もかわいいなと思いながら描いています。動物はラッキーモチーフ的な要素もあり、コレクターの方もいらっしゃるのでだんだんと種類が増えて今に至ります。
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始めてから今まで、変わったこと、変わらないこと
絵付を始めて30年ほど経つので、やはりタッチの変化はありますね。昔の作品を見るとなんだか若いな…と思ってしまいます。無駄な線や色を省いたりして今の形になりました。また、絵の具も原材料が変わって発色が昔と違ったり、気に入っていた筆が生産されなくなったりと、ハード面でも変化があります。描き方を変えながらできるだけ同じ感じに仕上がるようにしていかなければと思っています。
一方で、始めてから今まで毎日欠かさず作業をする習慣は変わりません。仕事のある日は朝か夜、あるいはそのどちらも、都合がつけば昼間も、という感じで、よほどの体調不良や旅行で不在にする時以外、必ず毎日描いています。描かないとしても下準備などをして作業を進めます。同じ絵柄を描き続けていますが飽きないですし、描くのが好きな気持ちは変わらないですね。
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うれしい瞬間
あちこちのバーによく行くのですが、そこで偶然自分の描いたグラスでカクテルを出されたことがありました。バーテンダーの方も驚いてましたが、私自身も驚きましたね。
また、ずいぶん前の話にはなりますが、ある航空会社の機内誌にFROG BARシリーズを取り上げていただいたことがあり、その時は機内で記事をご覧になった方がその足でお店に買いに来てくださったこともありました。
自分の作品がお客様の目に留まり、気に入っていただける。そして購入していただいたり、実際に使っていただいているところを目にするとかなり嬉しいです。今後もできるだけ在庫を切らさないように作っていきますので、お客様にはぜひたくさんの中からお気に入りを見つけていただいて、どんどん使っていただけると嬉しいです。
